屋根裏にUHFアンテナを設置して、地上波放送を受信することができました。今回はその顛末についてです。
- アンテナ設置に挑戦した理由
- 屋根裏への設置のメリット
- 自宅にきている電波をチェック
- 近畿ではローチャンネル
- アンテナ選び
- 屋根裏への入口と進入
- 最もアンテナレベルの高い位置を探す
- 固定にたこ糸を使ってみた
- アンテナケーブルをつなぐ
- ブースター(増幅器)を使う方法も
- 終わりに
アンテナ設置に挑戦した理由
これは月額料金が無料であるということに尽きます。たとえ月額が1000円であっても年12000円、10年で12万円かかります。初期投資と維持費を無視すれば、設置してしまえばなにもしなくても節約しつづけることができるのがメリットと考えました。
テレビの受信はいろいろ方法があると思いますが、ケーブルテレビだったりネット回線のオプション(光テレビなど)で受信する方法であったり、月額の料金は様々ですがアンテナ以外の方法では受信料がかかってきます。
我が家では地上波デジタル放送が受信できれば十分であり、BS放送や有料放送は見ないのでUHFアンテナをひとつたてればそれで済みます。
調べてみると、業者に依頼すると相場は5~10万円ほど。依頼してしまうと破損や劣化してしまったときの作業はまた業者に依頼しなければなりません。ここはDIYで安くあがればそれに越したことはないと考えました。
屋根裏への設置のメリット
とはいえ、屋根の上にアンテナを設置するのは危険がともないますし、経験のない素人がやるのはリスクが高すぎると判断しました。屋根裏に設置して受信可能であれば、
・台風でとばされたり雪で破損するなどのリスクがない
・雨風にさらされないので錆びたりしない
・家屋の外観的にはすっきり
というメリットがあります。
なんといってもDIYでも可能である、安く設置できるというのが魅力的です。
自宅にきている電波をチェック
まずは自宅が強電界なのか弱電界なのか、はたまた難視聴地域なのか調べました。
A-PABのサイトで地デジの放送エリアが確認できます。
http://apab-tv-area.jp/sp/
これで見ると我が家はエリアのかなり端の方なので弱電界地域なのでしょう。実際に電波の強さ(アンテナレベル)を調べる簡単な方法はなかったので、どの程度受信可能かはわかりません。
同サイトから近くの基地局か中継局がどこなのかを知ることができました。中継局からの距離が15kmほどで垂直偏波であることがわかりました。
電波には水平偏波と垂直偏波があり、アンテナを設置する方向が変わってきます。垂直であればアンテナの素子が縦方向になるように配置しないといけませんし、水平であれば横方向にする必要があります。
また普通の八木式アンテナであればどちらでも受信できますが、平型アンテナとかデザインアンテナと呼ばれるものだと垂直偏波が受信できないものもありますので注意が必要です。
我が家はどちらかというと田舎のほうなのでまわりに高層の建造物はありませんが、中継局方向には住宅が並んでいます。どの程度受信が可能かはまったくわかりません。
アンテナを購入して設置を試みてもまったく写らない可能性もありました。
近畿ではローチャンネル
近畿地方のチャンネルについては下記のリンクが参考になります。
http://www.geocities.jp/bokunimowakaru/misc-ch.html#kinki
我が家で受信したいのは13-17ch(の5局)+22ch+26chでした。
近畿では周波数が低く、ローチャンネル対応のアンテナでの受信が効率的だそうです。
アンテナ選び
できる限り受信性能の高いアンテナで、かつコストパフォーマンスに優れるものを探しました。また、屋根裏設置できる大きさであることが条件です。屋根裏の入口から入れることができて、屋根裏の空間に設置できなければ意味がありませんし、重量についても軽いほうが設置が簡単です。
これらの条件から20素子ローチャンネル用アンテナである「UL20」を選びました。
利得(受信性能だと理解すればいいかと)は10.1~13.5 dBです。重量も1.1kgであり、とても軽いです。
アマゾン、ヤフー、グーグルショッピングで検索してアマゾンでは4990円、ヤフーショッピングでは3850円、グーグルでは5000円でした。(2017/1/8現在)。
私の購入履歴から探すとヤフーショッピングのネットde電材店では税込3132円+送料600円が最安かと思います。
http://www.netdenzai.com/?mode=srh&cid=&keyword=ul20
近畿地方でなければ一般用の「UA20」がよさそうです。UL20よりもUA20のほうが安いです。
屋根裏への入口と進入
普通の方は屋根裏に入ることはおろか、どこに屋根裏口があるかさえわからないと思います。私もそうでしたが、分電盤の設置してあるすぐ側の天井に見つかりました。縦横各40cmくらいのものです。
屋根裏にはネジや木材のささくれもありますし配線にも注意が要ります。あと下地があるところ以外は体重かけれませんので充分に注意してください。私は軍手と靴は履いて作業しました。また登るときには脚立の用意とライトの用意、さらに私は小型のAQUOSテレビ(SHARP LC-16E1)をもって上がり、受信可能かどうか確認しながら設置しました。結構めんどくさいですがやるだけの価値はあります。もちろん自己責任ですが。
このために買ったわけではありませんが、すだれをかけたり高所の掃除などに大活躍している脚立を使いました。ないと屋根裏にのぼることすらできませんのでリンク貼っておきます。

長谷川工業(HASEGAWA) 専用脚立"脚軽" 130kg (人気・定番) RZ2.0-21(1.99m) (16805)
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最もアンテナレベルの高い位置を探す
実際の作業状況です。
まずUL20のアンテナをテレビにつないで屋根裏入り口のすぐそばでかかげてみました。アンテナレベルは低く全くだめでした。
次に屋根裏入り口から入ったところで方向を変えつつレベルを見ると多少アップするも映るところまでは至らず。
テレビの機種によってアンテナレベルの表示が違うようですが前述のAQUOSでは放送の受信のためにはアンテナレベルが60以上必要となっており、屋根裏の1番高い位置まで持っていき、ようやく映る場所が見つかりました。やはり高さは大事なようです。
1番良い場所でアンテナレベルは70〜80台、ちゃんとテレビが映り、屋根裏でつないだAQUOSでテレビが見れました。
地デジアンテナ調整というスマホのアプリも使ったのですが、テレビを持ち込んで実際のアンテナレベルを調べるのが一番でした。
固定にたこ糸を使ってみた
アンテナを手で持ってあちこち移動させていましたが、次は固定をしなければいけません。通常のやり方だと、U字のアンテナバーをつないでさらにアンテナポールに固定、さらにポールをどこかの柱にアタッチメントで固定という作業が必要です。いろいろと調べてみたんですが、ふと「たこ糸」で吊るしたらええんちゃうん?と思いつきました。
いつか100均で買ったものです。べつにたこ糸でなくても毛糸でも梱包用のひもでもいいと思います。わざわざ買わなくていいのがポイント。
アンテナの前方で1ヶ所、後方の広がっている部分で3ヶ所結んで吊るしました。前方は梁があったのでそれを使いました。後方の部分には吊るすことのできるものがなかったのでフックを1つとりつけて使いました。
真ん中1つだと傾いてしまうので両サイドを吊るす形にしました。よく見ると真ん中のたこ糸がたるんでいるので真ん中のたこ糸は不要ですね。
アンテナケーブルをつなぐ
アンテナケーブルをつなぐのは簡単です。F型接栓になっているものを購入してそのままネジ式でとめるだけです。アンテナケーブルについても屋根裏を這わすだけなので特に防水機能などは気にしなくても良いと思います。

HORIC アンテナケーブル S-4C-FB同軸 5m ホワイト 両側F型ネジ式コネクタ ストレート/ストレートタイプ HAT50-041SSWH
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つないだらそのまま屋根裏口の方向にのばし、元からあったHUB(分配器)を経由して各部屋へ。AQUOSも元の部屋に戻して映るかどうか確認です。
屋根裏で直接つないだときは70以上のレベルが確保できていましたが、60-63あたりのレベルに低下してしまいました。
部屋への配線が長くなるためにレベルの減衰があるようです。見れなくはないんですが、天候などで電波状態が悪いと見れなくなるかもしれません。
ブースター(増幅器)を使う方法も
もしもアンテナを設置してもアンテナレベルがいまひとつ足りないとか安定しないという場合にはブースターを使う方法があります。
今回のように地上波デジタルの受信目的であれば、「BU433D1」が最も良いと思います。実際に私はこれを購入して使用しました。

DXアンテナ UHFデュアルブースター 家庭用 高シールド 水平マストに取付可能 BU433D1
- 出版社/メーカー: DXアンテナ
- 発売日: 2015/08/25
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つなぐのは先ほどのHUBの手前です。アンテナに近い位置でつなぐのが良いようですし、ちょうど電源も屋根裏口のところに配置されていましたので、説明書をみながらつなぐだけでした。
それぞれブースター用電源とブースター本体です。いずれもコネクタはネジ式で留めるだけなので工具も不要でした。
これで部屋のテレビをチェックするとアンテナレベルは70くらいまで改善しました。もちろんどのチャンネルもちゃんと映ります。
他の部屋のテレビも映ることが確認できました。無事、アンテナ視聴に移行することができました
終わりに
屋根裏アンテナに変えてからは無料でテレビ視聴が可能となりました。全く問題なしです。かかった費用はアンテナ・ケーブル・ブースターで合計8411円。
設置前は、アンテナを購入(3732円)しても受信できる場所がないという場合はあきらめるつもりでした。新品のままオークションに出そうかなとか思ってました。でも今回のようにギリギリであれば、追加でブースターを購入することで十分視聴可能になります。
中継局から離れていても、エリア内であれば設置してみる価値があるかもしれません。
すべての家庭で屋根裏設置がうまくいくわけではないでしょうし、受信可能かどうかはやってみないとわかりません。そこらへんは自己責任ではありますが、安いコストで今後の節約が可能となるのでDIY、やる価値ありです。